2006年09月

2006年09月30日14:30『求愛』
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038440f5.jpg奥付は今日、9/30になっているので、ご紹介を控えて来たのですが、実際には、2週間以上前からネットなどで買えたようで、書店にも、十日くらい前から並んでいるようです(^^;

徳間書店からハードカバーです。
連作短編集で、問題小説に不定期掲載されていたものに、しめくくりとなる一編を実質的には書き下ろしました(問題小説に掲載されていますが)。
と言っても、このシリーズは、かなり前に問題小説に載せていただいていたもので、『激流』よりも前の作品になります。たまたま、いろいろと重なって、本にならないままでいたのですが、今回、徳間書店がまとめて一冊にしてくれました。

女性の私立探偵物です。最近では珍しく、割と正面から、ミステリーしていますが、サスペンスなので、謎解きは楽しめません(^^; 短い小説の中で、心理サスペンスと私立探偵物語とのドッキングを楽しんでいただければ、と思います。

装幀が、かなり、ドキッとさせられますよね(^^; 

『求愛』
徳間書店
ISBN4-19-862225-6
1600円+税

2006年09月29日09:15だったらこれは……? シロオオハラタケ
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2f81ed97.JPG下の写真を撮った小淵沢の林から、ほんの数十メートル歩いて、林を出た草地に生えていたのがこれ。

おんなじじゃん。

と思いますよね、ふつう(笑)
なのに、親戚ですらない、まったく別種のきのこなんです。
これはシロオオハラタケ。なんと食べられるきのこ。マッシュルームに近い仲間です。ただし、味の方は、個性に乏しくて、ドクツルタケとちゃうかしら、とハラハラしながら食べるほどではない、という噂。わたしは食べたことがありませんし、これからも、食べることはないでしょう。

と言っても、このきのこがドクツルタケではないことには、絶対の自信があります。
きのこ道を少しかじったことのある方なら、ご存じですよね。このきのこ、実は、傘をひっくり返すと、裏が真っ黒なんです(笑)
なんだインチキー、だったら誰にでもわかるじゃん、という話ですが、ハラタケの仲間は胞子が黒い、というのも、きちんと図鑑を読み込んであたまに入れておきたい知識のひとつ。
と、言っても、ハラタケの仲間だから安心、ではないのがやっかいなんですが。ハラタケの仲間にも、毒のあるきのこが何種類もあるんです。ですから、裏が真っ黒だからって、わーい、と食べてしまわないようにね(^^;;;;

たとえ、ドクツルタケでないことには絶対の自信があっても、わたしがこのきのこを食べないのは、ハラタケの仲間には毒のあるものが多く、毒性について研究が遅れている、ということがあるからです。実のところ、マッシュルーム(もともとは野生のハラタケを人工栽培して作り出したきのこ)だって、中毒例はけっこう出ています。日本でふつうに売られているあのまるっこいやつ、幼菌ならば安全ですが、海外に旅行されると、大きく傘の開いたマッシュルームをスーパーなどで目にすると思います。ポータブル・マッシュルームなどと呼ばれていますね。あれ、とってもおいしいのですが、成菌なので胞子が成熟していますから、胞子による消化不良の可能性は大きいんです。慣れていない人や、体質的にきのこの胞子で消化不良を起こしやすい人だと、下痢や嘔吐の可能性はあります。
栽培品でもそれですから、野生のものは、やはり要注意きのこ、と考えた方がいいと思います。
超美味だったら食べるけど、マッシュルームの方がおいしい、というのが、食べた人の一致する意見なので、食べなくてもいいきのこ、だと思います。

2006年09月29日08:41怖いきのこ・その1 ドクツルタケとその仲間
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52de46cd.JPGよく、「毒きのこの見分け方は?」という質問を見かけます。きのこ採りの面白さにハマッてまず思うのは、簡単に毒きのこかどうか見分ける方法はないかしら、ということ。それが判ったら、安心して食べられるのに、と。
しかし、「毒きのこの見分け方」というものは、存在しないのです。もし、周囲にいる「きのこ採り名人」のおじさんなどが、毒きのこの見分け方、というものを教えてくれたとしたら、それはすっぱりと忘れてください。そういうものに頼ると、かえって危険です。

毒きのこを食べないで済む方法は二つしかありません。まず一つ目の方法、これが実はお勧めなんですが、
「よく知っていて何度も食べたことがあり、絶対に自信を持ってきのこの名前を特定できるものしか食べない」です。もしハナイグチなら絶対に見分けられるぞ、と思っているなら、ハナイグチしか採って食べなければ、安心なわけですね。
きのこの楽しみは、食べることだけではなく、写真に撮ったり、スケッチしたりとさまざまです。食べることについては、安全第一で、というのが、本当に賢い選択だと思います。

とは言っても、わたしも含めて、きのこ採りの面白さにめざめてしまった人間にとって、図鑑で「おいしい」と書いてあるきのこに出遭ったら食べたい、というのは人情。
多少の冒険がなければ、きのこ採りの楽しみがなくなっちゃう、というのもまた真実。
そういう人には、第二の方法を。
それは、「毒きのこをひとつずつ、きちんと憶える」ことです。

えー、そんなのめんどくさーい、と思った人は、諦めて第一の方法で身を守ること。
きのこ採りは、自然観察でもあり、同時に、生態系の学習でもあります。学習意欲のない人には無理なんです。どんなにめんどくさくても、図鑑を何冊も(一冊に頼ると、記述の曖昧なところや、写真が通常の状態をとらえていない場合など、いろいろ不具合があります)揃えて、その記述をひとつひとつ、丹念に読み込んで頭に入れる、その努力が絶対に必要です。と言っても、難しく考える必要はないですよ。たとえば、洋服のブランドを憶えたり、模型のカタログを眺めたりするような気持ちで、楽しんで憶えていけばいいわけです。
そうやって勉強して頭に入れた知識を、実際のフィールドで「生きたきのこ」と照らし合わせた時、「おっ、こいつは○○ダケだっ!!!」と、出遭いの喜びもひとしおになります(^^)

毒きのこ、と一口に言っても、かじっただけで生死にかかわるものから、体質によって下痢する程度のものまで様々ですが、とにかく、まずは命が大事なので、致命的な毒きのこ、をしっかり憶えるようにしてください。

写真のきのこは、ドクツルタケ、のようです。自分で撮っておいて「ようです」ってのは情けないですが(笑)、非常に暗いところで、かなり遠くから撮っただけで近づいて見ていないので、はっきりとは断言できません。でも、柄に蛇を思わせるだんだらがある点、純白なのに傘にいくらか黄色や茶色の色づきがしている点、柄に白いマントが垂れている点、傘にイボなどがなく平滑な点など、特徴は合致しています。

ドクツルタケは、ごく普通に雑木林に生えているきのこの中では、最強最悪の毒きのこ。小指ほどの小さな幼菌一本で致死量、と言われています。中毒死亡例ももちろん多数。
拙作「ゆきの山荘の惨劇」にも登場しました。
「死の天使」の異名を持ち、姿はまさに、天使のように美しい純白のきのこ。割と大型で、大きいものは高さが20センチくらいにもなりますが、そっくりの形でたぶん同じ毒を持つと言われている「シロタマゴテングタケ」という小型のきのこもありますので、ひっくるめて、小さいのも大きいのも、この色と形をしているきのこは、「ドクツルタケの仲間」として、絶対に食べないようにしてくださいね。

この写真は、かさかさに乾いたところだったので、傘の周囲が割れてしまっていますが、普通に見られるドクツルタケは、どことなく艶やかに湿ったような雰囲気があり、傘はほとんど平らに開きます。縁のところも、なめらかに繋がっていることの方が多いです。
白いこと。柄が真っすぐで、だんだらのような模様があること。白いまく(マント)が傘の下から垂れていること。何度か見れば、すぐ憶えられるので、怖いきのこですが、認識するのは簡単です。

テングタケの仲間のきのこには、猛毒なものが非常に多く、中でも、白いきのこの毒は致命的な場合が多いので、白いきのこは危険、と思ってもいいかも知れません。実際には、よく似ているけど食べられる、というのもありますが、何も命を賭けてまできのこを食べなくても、おいしいものは他にいっぱいあるものね(^^)

ドクツルタケはしっかり記憶していただきたいので、いい写真が撮れたらUPしますね。

2006年09月29日08:10カワムラフウセンタケ
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9780ec38.JPGと、タイトルには堂々と書いたものの、この写真のきのこが本当にカワムラフウセンタケなのかどうか、100%の自信はありません(笑)

フウセンタケの仲間には、非常によく似た種類がたくさんあり、また、和名が付いていないものや、学名さえさだかではないものもとてもたくさんあります。
慣れて来ると、なんとなくフウセンタケの仲間だよね、これ、と見当はつくようになるんですが、その根拠を述べよ、と言われても「雰囲気がね」としか言えないと言うか(^^;;;; フウセンタケの雰囲気、というのはちょっと独特で、それが掴めるようになるのは、きのこ採り歴が五、六年は経過したぐらいからでしょうか。

ただ、フウセンタケの仲間には、紫色を帯びるものが多いので、紫がかっていて傘が丸くて、柄の根もとがふくらんでいたら、まずフウセンタケの仲間かな、と思ってもいいかも知れません。
このカワムラフウセンタケは、一般的に「フウセンタケ」と呼ばれているものの基本形をしています。
傘の表面は茶色〜紫色、胞子が茶色なのでひだは茶色っぽく、ひだから柄にかけて紫色をおび、柄の根元は、そろばんの玉みたいにぷくっとふくれています。なんとなく可愛いですよね。
ま、この形と色のものは、カワムラフウセンタケもしくはその近似種、と把握しておいていいんじゃないかしら。
ちなみに、このタイプの紫がかったフウセンタケには、今のところ、猛毒きのこは発見されていません。ものすごくおいしい、というわけではないのですが、この仲間はほとんど食べられます。
でも、未知の毒きのこである可能性はいつだって残されていますから、自信を持って同定できない時は、食べないでね。このブログでUPするものの中で、初心者でも間違わずに採れて安心して食べられるきのこは、そのむね、書いておくようにしますので、参考にしてください。
下のササクレヒトヨタケなどはその代表かも。でも同じヒトヨタケの仲間には、コプリン、という成分を含むものが多いんです。これは、アル中の治療薬と同じ成分。アルコールを分解する酵素の働きを抑えてしまいます。つまり、ごく少量のアルコールでも、分解できなくなってひどい悪酔いをするようになります。なので、ヒトヨタケの仲間きのこを食べる時は、お酒は厳禁。ササクレヒトヨタケは例外的にOKですが。

カワムラフウセンタケは、天ぷらにすると、クセがなくなっておいしく食べられます。

2006年09月29日07:47ササクレヒトヨタケ
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4423cbf8.JPG今年のきのこ写真第二弾は、八ケ岳のササクレヒトヨタケです。

形がユニークでしょ?
ヒトヨタケのヒトヨは、一夜、のこと。たった一晩しか生えていませんよ、という儚いきのこです。
実際には、地面から顔を出してから完全に溶けてしまうまで、二、三日、くらいかしら。そうなんです、この仲間のきのこは、「溶けて」しまうんです。不思議だねー。

この写真でも、二本のうち、傘の開いている方は、傘の下あたりが黒くなっているのがわかると思います。生えて来た時は純白のきのこなんですが、少しずつ黒くなって溶けていきます。
拙作の連作短編集に「桜さがし」というのがありますが、その第一話が、ササクレヒトヨタケのお話でした。

このきのこ、食べられます。えっ、うっそー、という人も多いと思いますが、逆に、「食べたことあるよ」という人もけっこういるのでは。イギリスを旅行された方なら、レストランやパブで、目にされたことがあるかも知れません。イギリスでは、とても人気のある食用きのこ。日本でも人工栽培されていて「こけしタケ」などという名前で一部の地域で売られています。商品にされるものは、傘がかたく閉じた幼菌だけで、食べられるのも幼菌のうちだけ。溶けかかって来ると、風味が落ちて、おいしくありません。
食べ方は、ホワイトアスパラガスとほぼ同じ。味もよく似ています。
茹でてマヨネーズをつけるのがシンプルでいちばんおいしい。他には、バターで弱火でじっくり焼くのも、おつな味ですね。グラタンにしてみるのも面白いかも。

この写真のものも、傘の閉じている方は、ぎりぎり、食用になるんですが、一本だけでは悲しいので、採らずにそっとしておきました。
三日ほどすると、跡形もなく消えていると思います。

2006年09月29日07:39ハナイグチ
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ed192381.JPG今年もシーズン到来、こうなるともう、きのこのことであたまがいっぱいで、ろくに仕事になりません。
ああ、担当様各位、ごめんなさい。
でもわたしにとって、人生最大の楽しみのひとつなので、勘弁してくださーい。

というわけで、今年は息子の秋休みを利用して、9/28.29と一泊で八ケ岳、から幕開けです。
八ケ岳はすでにシーズン最盛期に入っているはずなんですが、今年は、どうもきのこの出方が不規則のようで、いつもは九月半ばからシーズンを迎えて今ごろが最盛期のハナイグチが、やっとぼちぼち出て来たそうな。

この写真は、落葉松と赤松の混生林にて撮影。なんと、ホテルの敷地の中です。
なんとなくかわいいでしょ。

ハナイグチは、リコボウ、ジコボウ、ジコウボウ、ラクヨウなどなど、いろんな地方名を持つ、とても人気のあるきのこです。落葉松と共生関係にあるので、落葉松のない関西以西ではほとんど見かけないのですが、中部以北では、マツタケの次くらいに普通に見られるきのこ。別荘地の中などにも、今の季節になると、点々と生えてますね。
でも、食べておいしいので、業者が商品として狙うきのこでもあります。業者は私有地だろうとどこだろうと、軽トラックを乗りつけて早朝から根こそぎとってしまうので、日が高くなってから落葉松林を歩いても、なかなか見つけられません。この写真を撮ったホテルの周辺も別荘地で、すべて私有地なのですが、今朝早く、きのこをぎっしり詰めた箱を積んだ軽トラックが目撃されているそうな(^^;;;;
ま、わたしだって、お散歩していてこれが生えていたら、そこが私有地でも国有林でも、ついつい、採ってしまうでしょうから(^^;;;; 他人のことは責められませんけどぉ。あ、私有地などでも、もちろん、地主さんが了承していればOKですし、地元の村有林などでは、きのこ採りには寛容で何も言わないところも多いですよ。ただし、特定指定地域(国定公園内などで、動植物に対して特別に保護が義務づけられている地域)では、きのこ一本採っても罪になるので御注意。

何はともあれ、業者が暗躍するほど商品価値があるのがこのきのこ。だっておいしいんだもん。
爽やかな風味、とろんとしたぬめり、上品な味、歯切れ。和風の汁物にするのがコツです。おみそ汁、鍋の具、お吸い物など、ぬめりが生きる料理にしてあげてください。さっと茹でて、大根おろしと醤油にスダチ、なんてのも素敵。
ただ、イグチの仲間ですから、胞子は消化が悪く、食べ過ぎると腹痛や下痢、嘔吐などの中毒のような症状が出ます。特に、管口が開いた成菌は、絶対に食べすぎないようにしてねー。はじめて食べる時は、おみそ汁に具として二本分くらい、鍋の具なら二、三本にとどめて様子をみましょう。そのくらいなら、安心して食べられます(^^)
おいしいよ。

2006年09月26日12:30『あたしのマブイ、見ませんでしたか』
PermalinkTrackBack(0)この記事をクリップ! しばたの日常  | こんな本を読みました。
51bafb88.jpgこの本、再読なんですが、書店で見かけた時はてっきり、新しい短編集かと思って買ってしまいました。だって単行本の時のタイトルが『復活、へび女』だったんですよ〜。まったく違う本だと思うじゃないですかぁ(笑)

まあ確かに、『復活、へび女』では、その手のホラー小説かと思われそうですね。収録作品のタイトル名なので、惹きも強いし、単行本の時につけられた理由もわかるんですが。

文庫のタイトルは、冒頭作の中のセリフから。マブイ、は、沖縄の言葉で、本土の言葉になおせば「魂」という意味ですが、実際には、我々が「魂」という言葉に対して抱くのとはまた少し違うニュアンスを持っているようです。霊魂、というだけではなく、精神的支柱、というか、核、という意味もあり、また、カッパに抜かれる「尻子玉」のようなニュアンスもあり、さらには、ドッペルゲンガーの要素もあるようです。そのあたりの微妙な感覚は、沖縄人でないと理解できないものかも知れませんね。

池上永一さんは、現在のエンタテインメントおよび純文学までひっくるめた文芸シーンの中で、わたしが、最も才能を感じる作家のひとりです。簡単に説明することの難しい、本当に独特の感性と壮大な物語世界を持つ人。特にこの短編集では、池上さんの作品の持つ様々な特徴が、それぞれによく出ているのではないかと思います。切ないような、微笑ましいような、ゾっとするような、悲しいような、幸せな気持ちになるような…… 常に、読後に、相反する感情を同時によびさまれてしまう、そんな作風。文学的にも、ウチナーグチ(沖縄言葉)を現代の標準日本語とまったく無理なく融和させてしまう、という、離れ業を、いとも簡単に(実際の創作活動ではかなり苦しみもあるかと思うのですが、読み手にはストレスを感じさせない、という意味で)成し遂げてしまっていて、するすると読み進みながら、ふと気づくと、もしかすると池上さんは、ノーベル文学賞のとれる人なのかも知れない(冗談ではなく)と思って、背中が震えるような思いをしたり。

まあしかし、そんなことまでややこしく考えなくても、この短編集は、ひとつひとつの物語がとても読みやすく、オチもわかりやすいので、気楽に手にとってみたらいいと思います。

収録作品「マブイの行方」「サトウキビの森」「失踪する夜」「カジマイ」「復活、へび女」「前世迷宮」「宗教新聞」「木になる花」

『あたしのマブイ、見ませんでしたか』
池上永一
角川文庫
ISBN4-04-364701-8
552円+税金

2006年09月25日17:12さびしい
PermalinkTrackBack(0)この記事をクリップ! しばたの日常  | 日々いろいろでございます。
翻訳家の浅羽莢子さんがお亡くなりになったそうです。
一昨日、知人の作家さんの日記で知りました。
ご病気だったそうですが、誰にも病気のことは言わずに仕事を続け、遺書もきちんと整えて、いさぎよい終末だった、とのこと。

浅羽さんとは、パーティの二次会でたまにおしゃべりするくらいの間柄で、ここ数年はパーティでお見かけすることもなかったので、お会いする機会はないままでした。でも、とてもとてもパワフルで、明るくて、賑やかで、自信に満ちあふれた女性で、彼女から元気をもらった、という人は業界にもたくさんいたと思います。
何より、翻訳者として、本当に素晴らしい才能をお持ちでした。

わたしにとっては特別な作家であるジョナサン・キャロルも、浅羽訳でしか読んだことがありません。繊細で微妙な言い回しや、言語遊戯等、訳文で読んでも奥の深い、ある意味難解な、そして別の意味ではポップなキャロルの文章を、あれほど的確に訳すその力量には、いつも圧倒され、尊敬していました。
その一方、ジル・チャーチルなどの軽妙でわかりやすい、親しみやすい訳文。テンポもよく、読み手がまったくストレスを感じないで楽しく読み進めるように工夫された、プロの技の数々。
他にも挙げればきりがありません。
翻訳物のエンタテインメント小説をそれなりの量、読んでいる人で、浅羽訳を目にしたことがない、という人の方が、きっと少ないでしょう。

大きな星がひとつ落ちた。そんな思いにとらわれています。
とてもとても、さびしいです。

心より、御冥福をお祈りいたします。

2006年09月24日07:31東京ゲームショウ
PermalinkTrackBack(0)この記事をクリップ! しばたの日常  | 息子に持たせるお弁当
24117a8d.jpg期末試験も終わり、入学予定の高校の面接も済んで、ほぼ進路も決まりました。
すっかりリラックス、というか、だらけムードの息子です。
ちょっとシメなあかんな(^^;;;;

今日は、同級生と待ち合わせて、幕張メッセで開催中の東京ゲームショウに行くそうな。
過保護と笑われそうですが(笑)、一緒に行く子のおかあさんたちと相談の上、おにぎりを持たせてやることになりました。おにぎりなら、食べるところがなくても、立ったまま口に入れられるしね。レストランとかは混雑しているだろうし。

三種類ですが、混ぜ混ぜタイプにしました。
鮭フレークと、ちりめん山椒と、自家製のゆかり。それぞれご飯に混ぜ込んで握り、最後に、おそばの時に使って余っていた細切りの海苔をまぶしました。ちゃんと一枚海苔で包んだ方が食べやすいんですが、海苔って余ってると、しけってしまうので……
保冷剤の代わりに、凍らせたこんにゃくゼリーと、いただきものの桃ゼリーを一緒に。
お茶のペットボトルも保冷剤でくるんだし、おしぼりも入れたし。
ま、これがあれば、万が一、幕張メッセで遭難して帰って来られなくなっても、一晩くらいはもつだろう(笑)

Wiiは買うつもりのようですが、はたして、触れるんでしょうか。とにかくものすごい人気みたいですからね、今回の東京ゲームショウ。

2006年09月21日03:18『グルメ探偵、特別料理を盗む』
PermalinkTrackBack(0)この記事をクリップ! しばたの日常  | こんな本を読みました。
b9e0aaeb.jpgミステリーとおいしい食べ物、というのはめっぽう相性がよくて、食べ物がおいしそうに書かれているミステリーは売れる、とまで言われています。これは、ハードボイルドでも本格系でもサスペンスでも、けっこう共通した事実なんですが、特にコージーやコミック・クライムでは、食べ物がまったく出て来なければだめ、ってくらい、おいしい食べ物の描写は不可欠。
人間、やっぱ、食べ物の話がいちばん好きなのよね〜(笑)

ということで「グルメ探偵」と言われても、ふーん、また? ぐらいにしか思わないわたし。ネロ・ウルフを筆頭に、グルメな私立探偵や警察官ってのは数えればいくらでも数えられるもん。でもこの本、裏表紙のあらすじを読むと、なんだかちょっと違う……?

そうなんです。この本の探偵は確かにグルメなんですが、そもそも、「探偵」の意味が違うのでした。主人公がひとりでやってるこの探偵社、仕事は、人捜しだの浮気調査だのではなくて、珍しい食材を見つけたり、新しい食材ルートを開拓したり、栄養成分について調査したり、新規開店レストランにアドバイスしたり、と、「食べ物について探偵調査する」探偵社なんですね。これはちょっと面白しろそう。ということで買ってみました。

でも、あれれ。
やっぱ殺人が起こって、なんだ結局、ふつーに探偵しちゃうんじゃーん(笑)
まあそうだよなぁ、「新種の深海魚の食べ方」なんてものを調査するだけで、ミステリー長編一本はきついもんなぁ(^^;;;;
ま、でも、テンポがよくて楽しくするすると読める、コミック・クライムでした。もちろん、随所に、よだれがあふれそうな美味描写満載。ただちょっと、料理が高級過ぎて、イメージがおいつかない(そんなもん食べたことないよー、みたいな)んですけどね。
ネタバレになるので書けないのですが、たまたま「もやしもん3」と並行して読んでいたので、「うわ、また×××××菌かよっ」と思ったりして。殺しの方法も、なかなかユニークです。

『グルメ探偵、特別料理を盗む』
ピーター・キング
武藤祟恵 訳
ハヤカワ文庫
ISBN4-15-176251-5
860円+税